吹かれて葺かれて、わたしは葦

方法的非方法。徒然なるままに。

プレゼンの技術、備忘録的抜粋

先日後輩にプレゼンテーションのスキルをどのようにして学んだのかと聞かれました。私なりにまとめて伝えたのですが、私自身の思考の整理にもなったので、ここに備忘録的に記しておこうと思います(表現はこちらに合うように変更をくわえています)。

 

 

 

 

 〔・・・〕やっぱりプレゼンテーションも技術で、身に付けるために心を傾けて練習したら習得可能なものなのだと思います。でもプレゼンはあくまで「プレゼンター」が「オーディエンス」に「伝えたいこと」を伝えるもの、である以上、プレゼンターの個性によるところもあるので、誰によるプレゼンにも変わらず必要な部分と、自分独自のやり方を考えないといけない部分とをそれぞれ考えないといけないように思います。〔・・・〕

 以下では、自分独自のやり方をいかにして編んだかという話をしようと思います。私はプレゼンテーションのやり方を講義等で教わっているわけではなくて、プレゼンをライブからのアナロジーで捉えているところがあります。高校時代から軽音楽部でボーカルをやっていたので、そのパフォーマンスやマインドをそのままプレゼンに当てはめています。ステージ上に自分がいて、観客に向けてパフォーマンスをする。ただ自分が表現したいことを表現するだけの自己満足に終わってはいけなくて、観客をいかにノせるか、いかに楽しませるかも考える、というふうに。だから、どのようにして学んだのか、というところでいうとライブをひたすらに経験して学んだ、というふうにしか言えないところがあります。
 では、ライブの中でプレゼンの技術に通ずる何を学んでいたのかということになりますが、それはいかにして観客の心をつかむのか、であると考えています。
 前提として言っておきたいのが、私はプレゼンを単なる情報共有だとは捉えていないということです。プレゼンにはパフォーマンスの要素があると思っています。わざわざ身を以て登壇しているので(オーディエンスはわざわざ身を以て聴いてくれているので)、その場にいるプレゼンターと観客の相互作用を大切にしたいという思いがあります。オーディエンスを楽しませることができれば、そこで傾聴する動きも生まれるでしょうし、結果的によりよく内容が伝わるとも考えられます。
 さて、少し話がそれました。いかにして観客の心をつかむのか、です。「心をつかむ」というと、プレゼンターが上、オーディエンスが下で、というように一方的な感じがしますが、実際のところは「同調(シンクロ)」と言った方がいいのかもしれません。盛り上がりを共有して、(最終的にはプレゼンターの目指すところにたどり着くのですが)共にゴールへと歩みを進める、というイメージです。
 心をつかむのに必要なこと、それは
①開くこと
②毅然としていること
③クセになるようなポイントを盛り込むこと
です。順に話します。

 

①開くこと
 オーディエンスに対して、己を開く必要があります。つまり、オーディエンスが同調できるだけの遊びを持たせておかなければならないということです。この人に付き従いたい!にしても、この人と一緒に寄り添いたい!にしても、それだけの余裕を設けておかないといけません。〔・・・〕

 

②毅然としていること
 くだけた言い方で言えば、「自分、最強!」モードに入るということです。プレゼンをするときには誰もが主役です。自分が最強だ、というナルシシズムもプレゼンにおいては必要だと思います。弱々しくしている人には同情は誘われても積極的に付いていきたいとは思わせづらいものです。

 

③クセになるようなポイントを盛り込むこと
 誰にでも必要なプレゼンの基本がおさえられていて、かつ上記の①②ができていても、どうも熱狂的に惹かれるものがない、という場合があります。それはたぶんきれいにまとまりすぎているから、癖がないから、ではないかと思います。塩をちょっと入れるからスイーツの甘味はより強く感じられるのだし、顔の一つのほくろが全体のバランスをとっているということもあるものです。
 例を挙げれば、一風変わった訛りでしゃべる、とか、話の要所要所で毎度同じ変わったポーズをとる、とか、こういうものが考えられます。
 ただこれは易しくはなくて、癖はあるものの不自然であってはいけないし、かといって自然にできるようになるにはかなり自分の話すときの特徴を客観的に見れていないといけません。ある意味、「天然」といわれる人はこの点で強みがあるかもしれません。親しい友人や、プレゼンをする機会があればそのプレゼンを聴いていた人に自分の癖を尋ねてみてはどうでしょうか。

 このように、いかにして心をつかむのか、というところに焦点を置いて話を進めてきましたが、私自身のプレゼンテーションもまだまだ上達させられると思っていますし、以上に書いたことも暫定での私なりの組み立てに過ぎません。自分なりに独自のプレゼン作法を洗練させていってみてください。

 

 

 

私は人のプレゼンを見るのも、自分がプレゼンをするのも好きです。生身同士の相互作用ってのはうまくいくとどうも他のものに替えがたいキモチイイものがある。バンドでいうところのグルーヴ感ってやつだ。