吹かれて葺かれて、わたしは葦

方法的非方法。徒然なるままに。

外気がつめたく

この地上にホンモノなんてないってことを、かといって、どこか遠い空や海の底にあるのかといったらそういうわけでもないんだってことを、申し訳程度のコーンフレークをパフェの底から救いだしながら、考えていた。冷めたレモンティーをどうして飲もうと思うのか。挟まったままの昼食の欠片を隙間に埋めたまま、奥歯は餌を探している。充たされた生活、なんてものが手に入った瞬間に見えなくなってしまうものはきっとホンモノではないし、手に入ったときにも変わらず見えているものがあるはずはない。人間の頭蓋、及び、頭蓋が想起しうる範囲内にあるものをすべて贋物と呼ぶのだと、まだ信じたくない、まだ信じたくはなかった。かろうじての救いを難しい文字たち、易しい性欲、均質な回転に見いだそうとした。見つかった日が命日か、あるいは狂人の初日なんだ、きっと。生きているかい?生きていたいかい?

 

おめでとう。今日はめでたい日です。失血直前、最後の一滴で赤飯を炊こう。